都心では貴重となる木質空間を付加価値として設計した認可保育園です。準耐火構造とすることで、一部で木造現わしの園舎を実現しました。隣地の建物が近接しており周囲に開くことが難しく、なおかつ近隣配慮として建物高さを抑えるために半地下状の空間を作らざるを得ない状況下で、いかにして内側に豊かな環境を作ることが出来るか、に注力しました。解決策として、平面中央に吹き抜け状の階段室を「光と風の通り道」として計画し、心地よい健やかな木質の居場所を生み出すとともに、無風時にも重力差換気による自然通風を確保しました。立面においては、近隣住宅と連続する2階レベルの緑化と、木ルーバーや軒天の現わし木梁によって、潤いある街路景観を生み出しています。また、木造フラットルーフとしては広大な屋上は、第二の大地としての豊かな緑環境と園児の食育のための菜園を提供しています。

 

建築意匠+総合設計監理:ケミカルデザイン

意匠設計協力、監理協力:廣瀬隆志建築設計事務所

構造設計:田中哲也建築構造計画

設備設計:Y.M.O.合同会社、設備設計桜組

施工:神田エンジニアリング

 

 名称    代々木上原の保育園

 所在地   東京都渋谷区

 主用途     保育所

 竣工      2021年3月

 面積      599.20m2

 構造      W

 階数        地上2階

 写真撮影  石田篤写真事務所 石田篤

 (※以外)

 

 雑誌「新建築」2024年1月別冊に掲載されました

 

 2021年度キッズデザイン賞を受賞しました

 下記URLをご参照下さい

 https://kidsdesignaward.jp/search/detail_210450


豊かな街並み景観を形成する、木組みのファサードと壁面緑化 ※

 


木組の櫓形状階段室と、その周囲に展開するアクティビティー

 

グリッド状の大断面集成材梁が出迎えるエントランス空間


現わしの木梁と柱によって形成される健やかな保育空間

 

光に包まれる階段室と連続したランチルーム


第二の大地としての屋上庭園と家型ペントハウス