エンカレッジスクールとして、生徒の意欲を引き出し基礎学力の向上を図るために、30分授業・習熱度別授業・少人数実習・幅広い体験学習等、特色のあるカリキュラムが組まれている学校です。

「つなぐ学校」をメインコンセプトとし、次の3つの実現を目指しました。

1. 「場所や活動をつなぐ、練工らしさを生かす学校」

のこぎり屋根の実習室を中心に回遊性のある平面とし、ものづくりへの興味を引き出すための実習や、他学年の活動が見える空間構成とする。

2. 「光や風をつなぐ、環境教材となる学校」

学校の中心に配置した「ものづくりスクエア」上部にはのこぎり型屋根のハイサイドライトを、共用部には光庭やジャロジー窓を設け、自然採光・通風による快適な環境を生み出す。

3. 「人と人をつなぐ、豊かな人間性を育む学校」

生徒の居場所に選択性を持たせるため、教育の場であると同時に生活の場としても多様性のある環境作りを行う。

 

※株式会社日本設計在籍時に担当

 

名称   東京都立練馬工業高等学校

建築主  東京都

所在地  東京都練馬区

主用途  高等学校

竣工   2016年10月

延床面積 19,399㎡

構造   RC造、S造、SRC造

階数   地上3階

備考   計画指導/上野淳(首都大学東京)

写真撮影 輿水 進©


学校の中心にある「ものづくりスクエア」上部の屋上緑化

・のこぎり形の屋根から自然採光・通風を確保できる

・生徒の動線は、屋上緑化のある中庭周囲を回遊するように形成している

 

実習への興味を引き出す「ものづくりスクエア」

・学校の中心に位置し、周囲を巡る動線経路上の至るところから見ることができる

・約800㎡のワンルーム空間は、機器の改変に対応するフレキシビリティを備える

 

中庭越しに「ものづくりスクエア」が見えるエントランスホール

・壁面には作品やパネルを展示できる設えとし、日常的にものづくりの雰囲気を感じることができる

・コンクリート、鉄、木の3素材を使用し、建築自体が一つの教材となるような学校を目指した


普通教室前に拡がる、ロッカースペースを兼ねた多目的スペース

・ロッカースペースを兼ねることで、学習空間と生活空間のメリハリをつける

・北側に配置した普通教室は、廊下側のガラスと北側開口の両面からの安定した採光を得る

 

改築時に残した学校のシンボルであるケヤキ並木が見えるアリーナ

・居住域とハイサイドライトと異なる高さへ開口部を設置することで、重力差自然換気を促す

・樹木のようにしなやかな表情を見せる張弦梁が連続し、ハイサイドライト越しのケヤキと調和する