山形国際ドキュメンタリー映画祭2019にて、フィンランドサウナを題材とした映画とのタイアップイベントで使用するサウナ小屋です。
4日間限定という条件のもと、建材の無駄がなく、短期間で施工でき、非力なストーブで温められる最小気積で、もちろんローコスト、それでいて魅力的なデザインを模索しました(イベント後に改修した上で、移設再利用も想定した計画です)。
わずか2.5畳程の床面積と軒高1.65mという小さな小さな小屋は、ひとまずの4日間限定との割り切りから、外装無しの合板だけというプリミティブな佇まいを見せます。内部においては、屋根と壁とりあいに設けたスリット開口が屋根を浮かび上がらせ、どことなく非日常感が漂う、印象的な空間を生み出すことを意図しました。
なお、使用木材のほとんどを山形県産材とし、見え掛かりとなる合板のみ静岡県の桧を採用しました。
共同設計者:中村朋世/有限会社ビルディングランドスケープ一級建築士事務所
名称 :山形映画祭サウナ小屋
所在地 :山形県山形市
主用途 :サウナ
竣工 :2019年10月
敷地面積:山形市民会館敷地内
建築面積:4.13㎡
延床面積:4.13㎡
構造階数:木造、平屋建
施工:東北芸術工科大学西澤研究室
+荒達宏、 廣瀬隆志、中村朋世
建材協賛:(株)クラフトクレイン、
田島ルーフィング(株)
家具協賛:(株)天童木工、
山中康廣建築設計事務所&
YAMANAKA DESIGN
OFFICE
イベント利用状況
合板だけの外装による家型ボリュームは、その小ささと相まり、親しみやすい印象をもたらします
正面外観
合板だけという特殊状況を活かして合板の端部を跳ね出すことで、外観に軽快なスケール感を与えます
内観(昼間/夜間)
昼間は屋根と壁とりあいのスリットから自然光が入り、夜間はスリットに設置した間接照明が屋根を浮かび上がらせます
内観
ベンチ側は杉の線材と桧の面材の仕上、ストーブ側はモルタル塗り壁と床レンガとし、素材の風合いを活かす内装材を選定しました
イベント利用状況