休日には多くの買い物客で賑わう通り沿いに建つ、商業テナントビルです。飲食や物販のみならず、美容院や診療所にSOHOなど、多様なテナント利用が想定されています。

将来長きに渡って付加価値を備え続けることを目標とし、シンプルかつ端正なデザイン、フレキシビリティーが高い建築・設備計画、ランニングコストやメンテナンス費用の縮減を重視しました。

指定壁面線や高度地区斜線からなる最大ボリュームを基本形態としています。3階建て同等の立面が並ぶ沿道との関係性から、低層部をガラスボックス状に、4階より上は横連窓でボリュームを分節するなど、上下で異なるデザイン構成です。

躯体の長寿命化と内装自由度の向上が目的の外断熱工法は、開口周りのシャープな見切と相まって、彫りの深い表情を生み出します。

 

 名  称  渋谷区某テナントビル

 所  在  地   東京都渋谷区

 主  用  途   飲食・物販他

 竣  工  2020年12月(予定)

 敷地面積  135㎡

 建築面積  約90㎡

 容対面積  約400㎡ 

 延床面積  約470㎡

 構造階数  RC造6階建

 


北側高度地区斜線なりの最大容積を確保したソリッドなボリュームに対して、適材適所な開口部を切り取るデザインです。周囲に三階建ての道路立面が並ぶため、三階までと上層とでは異なる立面デザインとしています。

 

 


南西側外観

 

北西側外観

 


低層部立面近景:低層部では通りに対して開放的な設えとします。スラブレベルのスパンドレルや柱型は、サイン取付スペースとして機能します。

 

高層部立面近景:外断熱工法による壁面に、シャープな見切で彫りの深い開口部を設けた意匠です。また、西日対策の小ルーバーが繊細な表情を付与します。